摘果の有無が一季成り性イチゴ系統‘信大SUS-1’の生育・収量に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Effects of Fruit Thinning on Growth and Yield of Non-ever Bearing Strawberry ʻShindai SUS-1ʼ

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抄録

一季成り性イチゴ系統‘信大SUS-1’を供試し,先行研究と同様にEC値を指標として肥培管理を行い,着果制限が生育・収量に及ぼす影響について検討した.生育調査では,草丈および草高の試験期間全体の平均値において,摘果区は無摘果区に比べ有意に高い値を示した.その要因として,‘信大SUS-1’は草勢が強く,着果制限により栄養成長が促進されたためと推察された.しかし他の調査項目で試験期間全体の平均値において摘果区が高い傾向がみられたが有意差が認められなかったことから,花房や花器の発達に関して生育初期の極寒期に草勢を維持できたことで,生育期間中の着果負担による成り疲れを軽減できたと推察された.収量調査では,試験期間全体の収穫果実数,収穫果実重および平均1果実重に有意差は認められなかった.品質について無摘果区の不良果実数の合計が多い傾向がみられたが有意差はなかった.糖酸比は両試験区でほぼ同じ値を示した.以上から,‘信大SUS-1’の栽培では,収穫開始時期~極寒期にEC値を0.5mS/cm程度に維持して肥培を行うことで,生育期間全体で収量を低下せずに管理することができ,摘果作業を省略しても比較的大果で良質な果実生産が可能であると考えられた.

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信州大学農学部AFC報告 22 : 23-29, (2024)

収録刊行物

  • 信州大学農学部AFC報告

    信州大学農学部AFC報告 22 23-29, 2024-03-31

    信州大学農学部附属アルプス圏フィールド科学教育研究センター

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