同根語の漢字を媒介とする中国語から日本語への言語間転移 : 北京・台北・香港の漢字圏年少継承日本語話者に対する調査より

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タイトル別名
  • Linguistic Transfer from Chinese to Japanese through Kanji Cognates : A Study on Young JHL Speakers in Beijing, Taipei, and Hong Kong
  • ドウコンゴ ノ カンジ ヲ バイカイ ト スル チュウゴクゴ カラ ニホンゴ ヘノ ゲンゴ カン テンイ  ペキン タイペイ ホンコン ノ カンジケン ネンショウ ケイショウ ニホンゴ ワシャ ニ タイスル チョウサ ヨリ
  • 同根語の漢字を媒介とする中国語から日本語への言語間移転 : 北京・台北・香港の漢字圏年少継承日本語話者に対する調査より

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研究論文

漢字圏の継承日本語(JHL)話者の日本語習得は、漢字が中国語と日本語で共通しているため、非漢字圏とは異なる枠組みが必要である。本稿は漢字を両言語を繋ぐ言語資源と捉え、漢字圏に居住するJHL 話者の子どもたちを対象に、漢字を媒介とする中国語から日本語への転移の有無を明らかにすることを目的とする。調査は、漢字圏の中でも字体や教育環境が異なる3つの都市(北京・台北・香港)で実施し、現地校小学一年生相当の児童43 名の漢字読み上げタスクのデータをもとに分析を行った。その結果、日中同根語の漢字によって中国語から日本語への言語間転移メカニズムが漢字圏に共通して働くことが検証され、3都市比較を通して、認知の発達、中国語の読み書き、居住地での日本語環境の違いが言語間転移に影響することが示唆された。つまり、漢字の意味概念を通して日本語日常会話の語彙を当てる漢字転移メカニズムは、漢字圏JHL 話者に共通するのである。

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