富山県におけるマルケシゲンゴロウ属の記録総括と現況

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タイトル別名
  • Review of genus Hydrovatus Motschulsky, 1853 (Coleoptera, Dytiscidae) in Toyama Prefecture, central Japan
  • トヤマケン ニ オケル マルケシゲンゴロウゾク ノ キロク ソウカツ ト ゲンキョウ

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説明

富山県のマルケシゲンゴロウ属(甲虫目ゲンゴロウ科)の記録総括と、近年の生息状況を調査した。文献調査、標本調査、野外調査の結果から、富山県にはコマルケシゲンゴロウとサメハダマルケシゲンゴロウの2種が分布することがわかった。コマルケシゲンゴロウは、氷見市と南砺市の計2か所から分布が確認された(ただし氷見市の記録はサメハダマルケシゲンゴロウの誤同定である可能性が高い)。サメハダマルケシゲンゴロウは、氷見市、射水市、富山市の計3か所から分布が確認された。これら2種の分布は、県西部~中央部に偏っていた。県西部~中央部は、県東部よりも丘陵地帯が発達しており、谷間には多くのため池がある。こうした地形的な特徴により、本属の種が好む湿地などの浅い止水域が多く存在し、分布が偏った可能性がある。富山県の本属の記録地点は非常に少なく、この傾向は富山県の周辺地域でも同様であった。また、2021年現在、現存産地が全く無いため、富山県内では絶滅の危機に瀕していると考えられる。

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