成人看護学実習における「手術室見学実習観察項目表」を導入した実習の学習効果の検討

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書誌事項

タイトル別名
  • セイジン カンゴガク ジッシュウ ニ オケル 「 シュジュツシツケンガク ジッシュウ カンサツ コウモクヒョウ 」 オ ドウニュウ シタ ジッシュウ ノ ガクシュウ コウカ ノ ケントウ
  • 成人看護学実習へ「手術室見学実習観察項目表」導入後の学習効果
  • Effects of students introduced “Operating Room Visits Observation item List” in a Nursing Practicum

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説明

周手術期看護を体験的に理解することを目標にした成人看護学実習に「手術室見学実習観察項目表」(以下観察項目表とする)を導入して3年になる.この観察項目表は,手術室見学実習時の見学の視点を明確にするために,実習指導に携わる看護師(以下指導者とする)と共同作成したもので,体位固定方法など手術室看護に特有な学習視点としてあげた26項目からなる見学視点ガイドである.学生から研究への使用に同意が得られた観察項目表(学生用)は,2008年は62名(回収率:91%),2009年は52名(84%),2010年は56名(95%)であった.指導者から研究への使用に同意が得られた観察項目表(指導者用)は2008年は43名(63%),2009年は35名(56%),2010年は58名(98%)であった.これらを分析した結果,26項目のうち,3年間を通して,学生は17項目を80%以上見学できたと答えた.2008年と2010年では[ドレーン挿入]と[出血量の確認],2009年と2010年では[全身麻酔の導入]と[硬膜外カテーテルの挿入介助]を見学できたと答えた学生の割合が有意に上昇していた(P<0.05).また,指導者が説明できたと回答した割合が有意に高くなっていた項目は,2008年と2010年では9項目,2009年と2010年では19項目であった.今回の結果から学生が見学できていた項目の割合は3年間で差がない項目がほとんどであったが,指導者が指導できたとする項目は増加していた.また2009年以降観察項目表の導入の効果について5段階評価で確認したところ,約90%の学生が役立ったと回答した.以上のことから,手術室見学実習において,見学する視点を明確にするために「手術室見学実習観察項目表」を導入することは,学生と指導者の双方にとって,手術室見学実習を行う上で見学や指導を行う視点が明確になるため,効果的なツールであるといえる.今後は手術室看護師に分析結果のフィードバックを行い,学生が学習する機会の少ない項目については,ビデオ等の教材などを臨床とともに開発する必要があると考える.

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