音声的文化論(再)構築にむけての試論 : 音声の回復、方言、ラングストン・ヒューズのブルース詩

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タイトル別名
  • オンセイテキ ブンカロン サイコウチク ニ ムケテ ノ シロン オンセイ ノ カイフク ホウゲン ラングストン ヒューズ ノ ブルースシ
  • Some Observations on Phonetic Culture : The Return of Phonetics, Dialect, and Langston Hughes' Blues Poetry

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説明

当研究ノートは、ひろく言語芸術の音声的側面を論ずることにより、言語文化の新しい理解の指針を示そうとすることを目標としている。詩という「音声的文化」の根本的意味や今日的な意義を問い直すことなくして、個別の詩人研究の新たな地平はないという認識にたっており、より実践的にも、1920年代アメリカで巻き起こった芸術運動「ハーレム・ルネッサンス」の中心人物Langston Hughes(1902-67)の詩作品や自伝に現れるブルースへの関心を考察することでそのような目的に資することが出来ると考える。「1 音声の回復」においては、国内の文芸誌で対談された「音声の回復と現代文学の可能性」の議論を要約し、その議論が示唆する諸問題を浮き彫りにすることにより、音声文化論への布石とする。「2 方言の諸問題」においては、モダニズム文学論における方言の問題を扱った論考を紹介することにより、標準言語や方言が抱える音声的問題を考察する。「3 ヒューズのブルース詩が出来るまで」はヒューズがなぜ黒人ブルースの伝統に向かったかを処女詩集創作時までの自伝において確認する。「4 第2詩集Fine Clothes to the Jewにおけるブルース詩」は、その「ブルース」セクションの詩群を分析することにより、論題の音声的文化の具体的考察とする。

収録刊行物

  • 人文研究

    人文研究 59 154-170, 2008-03

    大阪市立大学大学院文学研究科

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