モモ果実の発育に関する生理学的研究 I : 果実発育に伴う組織学的変化(農学部門)

書誌事項

タイトル別名
  • モモ果実の発育に関する生理学的研究-1-果実発育に伴う組織学的変化
  • モモ カジツ ノ ハツイク ニ カンスル セイリガクテキ ケンキュウ 1 カジツ ハツイク ニ トモナウ ソシキガクテキ ヘンカ
  • Physiological studies on the growth and development of peach fruits I : Anatomical changes during the development of peach fruits (Agriculture)

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抄録

モモ果実の発育を組織学的に調べ, とくに果肉組織と種子の発育が同調的な生育周期をもつものなのかどうかを調べた。1)熟期の異なる3品種の果実の発育は, ダブルシグモイド曲線を示し, GA処理をした場合でも同様であった。熟期の早晩による差異は, 生育第2期の始めより現われ, すなわち硬核期の期間が晩生種になるほど長く, このずれが各品種の成熟期と密接に関連するものと思われた。2)各品種の種子の発達は, 熟期の早晩による差異は認められず, 開花後9週目で横径および縦径とも最大に達し, この時期の胚の発育段階は, 子葉原基形成期であった。以上の結果から, 生育第2期に果実の発育がにぶるのは, 種子の発達のため養分の競合が起こり, 果実の肥大が抑制されるのではなく, むしろ果実発育の遺伝的形質の相異に基づくものと推定された。3)モモ果実の中果皮の細胞分裂は, いずれの品種でも開花後21日頃までと考えられ, 分裂停止期の熟期の早晩による差異は認められなかった。4)果肉細胞の液胞の発達をみると, 開花期では小さな液胞が数多くあるが, 生育第1期の終りになると, 非常に発達して細胞内部の大部分を占めるに至った。

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