酵素を用いたポリフェノール測定法の検討

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  • コウソ オ モチイタ ポリフェノール ソクテイホウ ノ ケントウ

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抄録

市販チロシナーゼを用い、比色法と電極法によりポリフェノールの測定法について検討した。 1.3、4ジヒドロオキシフェニールアラニンにチロシナーゼを加えると、極大吸収が490nm付近の着色反応が進行し、1mM(30ナノモル)程度までは直線性のよい検量線が得られた。 2.ポーラ口グラフィック型の酸素電極を用い溶存酸素の消費量から定量性を検討したところ、400ナノモル程度まで直線性のよい検量線が得られた。 3.ポリフェノール間の反応性は、比色法、電極法ともピロガロールがDOPAより高く、カテコールがDOPAと同程度、コーヒー酸、没食子酸、クロロゲン酸、ケルセチンの順で、ルチンは比色法ではDOPAの1/4程度反応したが電極法では応答が見られなかった。 4.糖類はチロシナーゼによる反応に全く影響を与えず、食塩は濃度6%で5%、22%で40%反応を抑制した。ビタミンCは、0.1%で100%抑制したが、多くの野菜類の含有量の範囲である0.05%以下では90%以上の活性を示した。 5.野菜・山野草の抽出液のチロシナーゼによる測定値は比色法・電極法とも、ウド、シュンギク、チンゲンサイが高く、セリ、フキが中程度、ナガネギやカイワレ大根は低く、従来の報告値と一致した傾向を示し、ポリフェノール分析への酵素利用の可能性が示された。

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