イトヨリダイ冷凍すり身のゲル形成能低下の要因とプロテアーゼ阻害剤および大豆ホエーの効果について

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タイトル別名
  • Factors decreasing the gel-forming ability of threadfin bream surimi and effect of soybean whey addition
  • イトヨリダイ レイトウ スリミ ノ ゲル ケイセイノウ テイカ ノ ヨウイン ト プロテアーゼ ソガイザイ オヨビ ダイズ ホエー ノ コウカ ニ ツイテ

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抄録

練製品の原材料であるイトヨリダイの冷凍すり身を用いて,製品の品質を大きく低下させる要因とその抑制について検討した。イトヨリダイすり身ゲルを40~60℃で加熱するとミオシン重鎖の低分子量化が確認された。プロテアーゼ活性は,低分子量化が弱かったスケトウダラに比べ,イトヨリダイでは6倍高い値を示し,そのゲル物性は柔らかかった。イトヨリダイすり身にトリプシン様セリンプロテアーゼ1種,金属プロテアーゼ2種を検出した。これらのプロテアーゼの作用を阻害するとミオシン重鎖の分解は抑制された。以上のことより,イトヨリダイすり身の加熱ゲルの低ゲル強度現象は,内在するプロテアーゼによるミオシン重鎖の分解が要因であり,特にTIやTIを含む大豆ホエーの添加が効果的に抑制することを確認した。

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