コーヒー生豆のモデル発酵とそれによる風味変化

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タイトル別名
  • Model experiments for fermentation of purified coffee beans : the alteration of coffee flavor
  • コーヒー ナママメ ノ モデル ハッコウ ト ソレニ ヨル フウミ ヘンカ

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抄録

コーヒー生豆の発酵による新しいコーヒー開発の可能性を検討するため、乳酸菌とワイン酵母によるコーヒー果実粉末を用いた発酵モデルと、牛乳及びぶどうジュースを資化源とした発酵、及びワイン及び日本酒によるフレーバー付加の3つの方法によりコーヒーの風味の変化を検証した。酵母を用いた発酵では、コーヒー果実の発酵モデル、ぶどうジュースを用いた発酵モデルともに、酵母発酵により酸味が増加する一方で苦味が減少したが、これは味成分の変化ではなく、フラン類の増加におけるフルーティな香りの付加による可能性が示された。一方、乳酸菌による発酵では、かおりにおける「香ばしさ」や「好ましさ」が増加する傾向がみられ、ピラジン類の増加による香ばしい香りの付加が示唆された。ワイン及び日本酒によるフレーバー付加では、ともにフラン類によるフルーティな香りや発酵醸造酒特有の香りが付加され、酸味が増加し、苦味が減少する傾向がみられた。これらのいずれも酸味の評価と滴定酸度、苦味の評価と総ポリフェノール量との相関はみられず、発酵による呈味の変化は味成分よりも香りの変化によることが示唆された。

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