J-ADNI鑑別基準における聴性事象関連電位P300によるMCIの同定 : 神経心理学的視点からMCIを捉える (特集 認知症)

書誌事項

タイトル別名
  • Identification of Amnesic MCI Using AERP P300 Based on J-ADNI Differentiation Criteria : Insights into MCI from a Neuropsychology Viewpoint
  • J-ADNI鑑別基準における聴性事象関連電位P300によるMCIの同定 : 神経心理学的視点からMCIを捉える
  • J-ADNI カンベツ キジュン ニ オケル チョウセイ ジショウ カンレン デンイ P300 ニ ヨル MCI ノ ドウテイ : シンケイ シンリガクテキ シテン カラ MCI オ トラエル

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説明

厚生労働省の報告では約400万人が潜在しているとされているMild Cognitive Impairment (MCI) の有症率は高齢者の約13%を占める。 認知症の前駆段階といわれるMCIを早期発見、 早期介入することが認知症対策として重要な方略である。 ある程度生活機能は維持されているが、 物忘れが進行している状態であり、 認知力は正常範囲でも何らかの機能低下がみられる。 MCIのなかでも、 記憶障害を主訴とする健忘タイプは、 現在最も重点が置かれている。 今回は日本版のJADNI鑑別法に着目した。 また本研究では、 聴性事象関連電位により情報処理速度を測定し論理性記憶との関連性をみた。 その結果、 事象関連電位各成分におけるMCI群と対照群を比較すると各成分において0.1%水準にて有意に差が認められた。 よって、 論理性記憶の評価はMCIの検出には有効であり、 特に聴覚情報処理の遅延により言語性記憶の劣化に至ることが推察された。 今回の結果は、 神経心理ピラミッド (Rusk NY univ.) における記憶が情報処理の階層より高位であることを裏付けるものであった。 本研究は、 あくまで健忘タイプに限定した鑑別である。 今後、 作業療法士の様々な活動を通した認知症予防の戦略に加えて、 言語聴覚士の介入は、 言語性健忘への方略に不可欠である。 認知症予防を推進するためには、 リハビリテーション分野でのさらなる研究が求められている。

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