こころに存在するカオス(混沌)の表象を追う --神話・科学の領域と分析心理学の観点からの検討--

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書誌事項

タイトル別名
  • Exploring the Representation of Chaos Existing in the Mind: Study in the Fields of Myths and Science from the Perspective of Analytical Psychology
  • ココロ ニ ソンザイ スル カオス(コントン)ノ ヒョウショウ オ オウ : シンワ ・ カガク ノ リョウイキ ト ブンセキ シンリガク ノ カンテン カラ ノ ケントウ

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説明

心理療法の過程では, カオス的表現や状況が生じることがあり, そこには重要な契機が含まれている。本論では心理療法における「カオス(混沌)」を分析心理学の観点から神話や科学領域におけるカオスの特徴を検討することを目的とした。神話領域のカオスには, 原初, 空洞, 包摂性, 未分化などの特徴があり, 分析心理学的には無意識, 原初的な精神のメタファーや二者関係の転移現象として理解された。科学領域では, 予測不可能なカオス的現象の観測によって秩序と無秩序の併存が示された。心理療法の過程においても内的に重要な局面で世界創成的なイメージが生成される一方, 世界崩壊という原初的な不安に晒される側面がみられた。しかし世界創成神話では破壊的な側面は描かれることはない。このようなカオスの生成と破壊の両側面の特徴は, 神話と科学の領域から検討することによって, 心理療法に生じるカオスについて理解を深めることができる。

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