新潟大学医歯学総合病院口腔再建外科における外来および入院患者の臨床統計的観察

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  • Clinico-statistical Survey of Outpatients and Inpatients in the Department of Oral Reconstructive Surgery

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説明

新潟大学医歯学総合病院は2003年に医学部附属病院と歯学部附属病院から統合され,その後,病棟の統合や地域連携システムの導入が行われて,ますます特定機能病院としての役割を果たすように変革を遂げてきている。近年,超高齢社会を背景として疾病構造など医療事情は大きく変化してきており,歯科においてもこれらの変化に沿った対応が求められている。特に大学病院では従来の高度な先進医療の提供や教育機関としての役割だけでなく,これまで以上に地域と密接に連携し,地域住民に広く高度で質の高い医療を提供していくことが必要である。そこで,今回われわれは口腔再建外科が大学病院口腔外科として,これまで地域との連携においてどのような役割を果たしてきたのか,そして,今後どのように発展させていくべきかということを明らかにすることを目的として,病院統合,病棟移転後の当科における外来初診患者および入院患者の臨床統計的観察をおこなった。その結果,対象期間中の新患患者総数は16.742人であった。紹介率は68.9%から87.6%と年々増加しており,紹介なしでの受診患者は大幅に減少した。また,逆紹介率は約40%と紹介率に比して低いものであった。外来患者では歯の疾患,炎症性疾患,粘膜・皮膚疾患,睡眠時無呼吸症候群(以下,OSAS)といった症例が多く,入院患者では集学的治療を要する顎変形症や悪性腫瘍の割合が高かった。これらの結果より,当科は特定機能病院として高い紹介率のもと,高次医療提供病院として機能しているとともに,地域医療機関との病診連携も推進されていると考えられたが,逆紹介率の改善など,さらに地域との連携を推進できるような診療体系を構築すべきであると考えられた。

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