書誌事項
- タイトル別名
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- A methodological examination of the economic effect of sports policy and project : utilizing regional value-added analysis and input–output analysis
- スポーツ カンレン セイサク ・ ジギョウ ニ オケル ケイザイテキ ナ コウカ ノ ブンセキ ホウホウ ノ ケントウ : チイキ フカ カチ ソウゾウ ブンセキ ト サンギョウ レンカン ブンセキ ノ カツヨウ ニ ツイテ
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説明
横田ら(2020)は,スポーツ施設の整備・運営に地域付加価値創造分析を適用し,事業の経済効果の検証を試みた。地域付加価値創造分析は,主にドイツにおいて,再生可能エネルギーの開発が地域にどの程度の経済効果を生むかを評価する手法として活用されている分析である。一方で,経済効果の検証には,産業連関分析が用いられることが多い。本研究の目的は,同一事業を対象に地域付加価値創造分析と産業連関分析を行い,結果を比較することによって両分析の特性を明確にすることである。 長野県東御市の高地トレーニング拠点の整備及び運営に関する13事業を対象として,両分析を実施した。その結果,横田ら(2020)が実施した地域付加価値創造分析では4.4億円であったのに対し,産業連関分析では純付加価値額7.0億円,付加価値額9.6億円,生産額15.3億円となった。事業別の構成比は,すべての分析結果で類似した傾向を示した。 両分析とも,地域への経済的な貢献を分析する手法として有益である。地域付加価値創造分析は,事業によって新たに発生した経済的な付加価値を直接的に計測することから,事業レベルでの検討により適している。産業連関分析は,地域内で波及的に生じる生産誘発額や消費効果を加算することから,産業レベル,政策レベルでの検討により適していると考えられる。地域付加価値創造分析と産業連関分析は,対象とするバリューチェーンの範囲やアプローチが異なり,それに伴って結果が示す経済的な付加価値の絶対値が異なる。活用目的に適した分析手法を採用するとともに,それぞれの分析の特性を踏まえて結果を活用することで,地域経済にとって有益な事業を選択,展開することができるだろう。 また,分析結果を量的に比較することができたことによって,今後,事業規模や事業形態の異なる事業を対象にデータを蓄積することで,どちらか一方の分析結果から,他方の結果を推計できる可能性を示した。
収録刊行物
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- 日本体育大学紀要
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日本体育大学紀要 52 1031-1039, 2023
日本体育大学
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050858298305398784
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- NII書誌ID
- AN00194152
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- NDL書誌ID
- 033061149
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- ISSN
- 02850613
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- IRDB
- NDLサーチ