考証館活動の成功の社会的条件 : 1990年代の水俣病運動界と相思社

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タイトル別名
  • Social Conditions for the Success of Museum Activities : Soshisha and Transformation in the Minamata Disease Field during the 1990s
  • コウショウカン カツドウ ノ セイコウ ノ シャカイテキ ジョウケン : 1990ネンダイ ノ ミナマタビョウ ウンドウカイ ト ソウシシャ

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抄録

熊本県水俣市で水俣病被害者を支援する団体,水俣病センター相思社(以 下,相思社)は,1990 年,それまでの加害企業や国家に水俣病被害者への謝 罪と補償を求める未認定患者運動から,水俣病に関する歴史と記憶を蓄積し後 世に伝える考証館活動へと,活動の中心を移行した。彼らの考証館活動はしば らく停滞した後,1990 年代半ばに大きな発展を遂げていく。本稿の目的は, この考証館活動の成功を可能にした社会的諸条件を明らかにすることである。 フランスの社会学者ピエール・ブルデューの「界」概念を参考にしながら,本 稿は,考証館活動の発展の歴史を,1990 年代の水俣病運動界の変容によって もたらされた可能性と制約のなかで,相思社が実践を継続的に変化させていく 過程として理解することを試みる。その際は,水俣病運動界の変容によって生 じた機会と制約が相思社の実践を変容させる過程だけでなく,相思社の考証館 活動の実践が水俣病運動界を変容させる過程も考察の対象にする。

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