タマネギのα-グルコシダーゼ阻害活性と調理操作による影響

書誌事項

タイトル別名
  • Inhibitory Activity of Onions on α-Glucosidase and Effects of Cooking Techniques on Its Activity

抄録

本研究では、タマネギ(Allium cepa)のα-グルコシダーゼ阻害活性を指標とした血糖値上昇抑制効果とその関与成分および各種調理操作による影響について検証した。タマネギの70%エタノール抽出濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分画した複数の画分で強いα-グルコシダーゼ阻害活性が確認された。特に阻害活性の強い画分をHPLC 分析に供したところ、ケルセチン-3,4’-ジグルコシドおよびケルセチン-4’-O-βグルコシドの存在が確認され、両物質がα-グルコシダーゼ阻害活性に関与していることが示唆された。また、調理操作のうち、「水さらし」では5分から10 分経過までにα-グルコシダーゼ阻害活性と2種のケルセチン含量の有意な低下が確認された。その他の調理操作では、α-グルコシダーゼ阻害活性において有意差は認められなかった。これより、タマネギはα-グルコシダーゼ阻害を介した血糖値上昇抑制効果は期待できるが、特に調理操作では「水さらし」に留意する必要性が示された。

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