一時保護所における職員の受容的な関わりを促進するプロセスの検討─子ども支援・職員支援に役立つ「子ども中心の支援モデル」を目指して─

書誌事項

タイトル別名
  • Process of encouraging accepting interactions by staff of temporary custody facilities : Aiming toward a child-centered support model in support of children and staff
  • 一時保護所における職員の受容的な関わりを促進するプロセスの検討 : 子ども支援・職員支援に役立つ「子ども中心の支援モデル」を目指して
  • イチジ ホゴショ ニ オケル ショクイン ノ ジュヨウテキ ナ カカワリ オ ソクシン スル プロセス ノ ケントウ : コドモ シエン ・ ショクイン シエン ニ ヤクダツ 「 コドモ チュウシン ノ シエン モデル 」 オ メザシテ

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抄録

近年,一時保護ガイドラインが提示され,職員の受容的な関わりを通して子どもをケアすることが支援の原則となった。しかし,一時保護所の特殊な実態を踏まえて体系化された実践的な支援モデルは提示されておらず,これにより,ケアの質に地域格差がみられる状況が問題視されている。そこで,本研究では一時保護所職員14名(平均年齢31.43±11.9歳)にインタビュー調査を行い,受容的な関わりを促進するプロセスをM-GTAで検討した。分析の結果,インタビュー・データから34の概念,12のカテゴリー,4のカテゴリー・グループが生成された。各カテゴリー及びカテゴリー・グループ間の関連について検討したところ,職員の受容的な関わりは【子ども中心の関わり】のカテゴリー・グループに含まれる概念の1つであり,【子ども中心の関わり】,【問題の理解と対応方法の検討】,【資源の活用と心理支援】,【支援効果を高める組織運営】を経て受容的な関わりが促進し,子どもの肯定的な変化を促すプロセスが示された。職員が子どもを支援の中心に置きながら子どもの肯定的な変化を促す「子ども中心の支援モデル」が示されたと考えられる。今後,一時保護所における効果的な支援を検討するにあたっては,子ども側・職員側・組織側の問題が相互に影響し合う状況があることを前提に置き,組織全体の問題状況をアセスメントすること,そして,一時保護所における心理職の確保と活用が強く求められる。

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