統合ケア施設を利用する在宅高齢者の子どもとのサポート授受

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タイトル別名
  • トウゴウ ケア シセツ オ リヨウ スル ザイタク コウレイシャ ノ コドモ ト ノ サポート ジュジュ
  • 在宅高齢者の子どもとのサポート授受
  • Interactive Supports Between Children and the Elderly At-home Using Integrated Care Facilities

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説明

本研究の目的は,地域のケア資源となり得る統合ケア施設を利用する在宅高齢者の子どもとのサポート授受の実態,およびサポート授受と高齢者の生きがいとの関連を明らかにすることである.西日本の統合ケアを実施している7施設に依頼をし,協力の得られた5施設のデイサービスを利用する在宅高齢者のうち,認知症がないという条件で施設管理者に選出いただいた75人を対象とした.一人当たり15分程度の個別面接質問紙調査を2009年4月~9月に行った.調査内容は,対象者の特性,サポート授受,生きがいである.サポート授受については先行研究を参考に独自の質問票を作成し,生きがいについては,生きがいの源泉・対象と生きがい感(PGC モラールスケール)を調査した.分析では,記述統計,サポート授受の2群の差はWelch’s t-test,サポート授受と生きがいについてはロジスティック回帰分析,Pearsonの相関係数を行い,自由回答の内容については意味内容の類似性に従いカテゴリへと抽象化した.なお,所属機関の研究倫理審査委員会の承認を得た.認知症の疑いがないHDS-R で21点以上の70人を分析対象者とした.サポート授受は主に情緒的なサポート授受であった.生きがいとの関連については,生きがいの源泉・対象は受領サポートの「感動させてくれる」の項目と有意な関連がみられ,生きがい感は提供サポートの「元気がないときに温かく励ます」の項目と有意な正の相関がみられた.以上のことから,統合ケア施設を利用する在宅高齢者の子どもとのサポート授受は,情緒的なサポート授受が主たるものであった.また,提供サポートだけでなく,受領サポートが高齢者の生きがいに関連していることが示唆された.しかし,子どもに対して必ずしも肯定的な感情をもっているとはいえないため,統合ケアを行うにあたり,高齢者や子どもの特徴を理解し,交流を調整することが必要であると考えられる.

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