MACを伴う僧帽弁狭窄症 (MS) に対するウシ心膜パッチをスカートとして用いたMVRの1例

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タイトル別名
  • A technique in mitral valve surgery with mitral annular calcification

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説明

<p> 症例は67歳女性. 1997年より腎硬化症によるCKDに対して維持透析を施行されていた. 2012年頃から動悸が出現し, ECG上pAf/AFLを認め, 2013年1月に施行した経胸壁心エコー (TTE) ではmild MS (MVA 1.6cm2) を認めた. 冠動脈造影 (CAG) 施行したところ有意狭窄は認めなかった. 2014年11月に施行したTTEでsevere MS (MVA 0.9cm2) とMSの進行を認めたため手術目的で入院となった.</p><p> 術前CT検査で僧帽弁輪に著明な石灰化を認めた. 手術はMVR, TAP, Mazeを施行した. 僧帽弁輪の石灰化は後尖側主体であり, 弁尖および石灰化した僧帽弁輪を除去して, 周囲にウシ心膜パッチでスカートを付けておいた人工弁を弁輪に結紮固定し, ウシ心膜パッチを左房に縫合固定した. 術後はTTEにて弁周囲逆流も認めず良好に経過した.</p><p> MACを伴う僧帽弁手術は, 現在でも難題となりうるリスクの高い手術で, 房室部の破裂, 心室破裂などの致命的合併症のリスクがある. 当院ではMACを伴う僧帽弁手術に対し, 積極的にウシ心膜パッチをスカートとして用いたMVRを施行しているが, 良好な成績を得ており, 今回当院で施行している手術方法の1例を報告する.</p>

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 48 (10), 1194-1198, 2016

    公益財団法人 日本心臓財団

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