導電性中空糸膜電極を用いる電気化学検出法による糖検出感度の検討

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タイトル別名
  • Study of a metal-coated hollow-fiber membrane electrode for sugar detection by an amperometric detection method.
  • ドウデンセイ チュウクウシ マク デンキョク オ モチイル デンキ カガク ケンシュツホウ ニ ヨル トウ ケンシュツ カンド ノ ケントウ

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抄録

HPLCにおける電気化学検出器の作用電極として,導電性中空糸膜を応用することを試みた.アルカリ溶液中での糖の電気化学的酸化をモデルに高感度かつシャープなピーク電流値が得られる電極構造の検討を行った.導電性中空糸膜電極は反応室を兼ね備えた特異な袋構造のために,残留移動相によって試料成分が希釈され,出力信号のピークがブロードになる.導電性中空糸膜電極中の残留水酸化ナトリウム量を検討した結果,反応室だけではなく膜自身の細孔部の空孔容量も反応室とほぼ同容量で無視できないことが分かった.そこで,膜細孔部のデッドボリュームを低減するため中空糸膜への金属被覆を外壁のみから内壁へ変更した.その結果,検出限界値(S/N=3)は,外壁金属被覆より30% 向上し1.2 pmolとなった.また,ピーク半値幅は1/3に短縮され3.6秒となった.次に内壁に被覆した金属のみが応答に寄与する構造を考案した.その結果,ノイズが54 nAから25 nAに半減し,検出限界値(S/N=3)は0.69 pmol,半値幅は1.8秒とほぼ半減した.以上のことから,従来の外壁金属被覆導電性中空糸膜電極と比べると検出限界値は約1/3に下がり,半値幅は約1/6と大幅に短縮され,高感度でシャープなピーク電流が得られた.<br>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 52 (4), 245-251, 2003

    公益社団法人 日本分析化学会

参考文献 (25)*注記

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