発光分光分析用グロー放電プラズマ励起源の新しい制御法

書誌事項

タイトル別名
  • New techniques for controlling the excitation source in glow discharge optical emission spectrometry
  • ハッコウ ブンコウ ブンセキ ヨウ グロー ホウデン プラズマレイキゲン ノ アタラシイ セイギョホウ

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抄録

グロー放電発光分析法における3種類の新しい測定技法について紹介する.その第一は,直流グロー放電管に適用できる印加電圧変調法である.これは一定の直流電圧に交流電圧を重畳させた放電電圧をグロー放電管に印加するもので,この交流成分により放電プラズマから発せられる発光は強度変調を受ける.この変調成分のみを選択的にロックインアンプで検出することにより,雑音成分を極めて低く抑えて目的の信号成分のみを検出することができる.これによりSN比の著しい改善を実現することができる.第二の方法は,高周波グロー放電管に適用できるバイアス電流導入法である.高周波放電管に誘起される直流の自己バイアス電圧を駆動力として,放電管に直流電流を導入するとその発光強度は増大する.この効果を利用して,発光分析における検出感度を大幅に向上させることが可能となる.最後の方法は,高周波放電管における電圧振幅変調法である.この方法では,高周波電圧の波高値に周期的な変動成分を与えることによって,グロー放電管から発せられる発光は強度変調を受ける.直流印加電圧変調法と同様にSN比の改善が図られると同時に,スパッタリング速度(サンプリング量)は減少させることができる.この方法により,膜厚が極めて薄い場合でもその深さ方向元素分析を容易に行うことができる.<br>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 52 (6), 393-403, 2003

    公益社団法人 日本分析化学会

参考文献 (26)*注記

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