口腔扁平上皮癌におけるCyclin D1の細胞内局在と増殖能との関連

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タイトル別名
  • Effect of intracellular localization of cyclin D1 on the proliferation in oral squamous cell carcinoma
  • コウコウ ヘンペイ ジョウヒガン ニ オケル Cyclin D1 ノ サイボウ ナイキョクザイ ト ゾウショクノウ ト ノ カンレン

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抄録

Cyclin D1はRetinoblastoma(RB)のリン酸化反応を制御することでG1期に働く細胞周期の調節因子であり,多くの癌細胞の進展において不可欠であると考えられている.<br>   本研究においてわれわれは,ヒト口腔扁平上皮癌細胞株であるHSC4におけるCyclin D1の発現と細胞内局在について,特異的抗体を用いた免疫組織染色によって調べた.その結果,増殖期の細胞の核内においてCyclin D1の局在がみられた.さらに高密度培養により細胞増殖能を低下させると,多くの細胞ではCyclin D1レベルが低下し,一部の細胞ではCyclin D1は細胞質のみで確認された.また,非足場依存的aggregateでは,細胞は増殖を停止するが,ほとんどの細胞のCyclin D1は細胞質に存在していた.これらの結果は,Cyclin D1は口腔扁平上皮癌の増殖能や細胞周期の調節に関与しているとともに,増殖停止時に細胞質に移行することにより,それ以外の働きをする可能性が示唆された.

収録刊行物

  • 歯科医学

    歯科医学 75 (2), 70-75, 2012

    大阪歯科学会

参考文献 (15)*注記

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