川崎臨海工業地帯における工場緑地の空間特性に関する研究

書誌事項

タイトル別名
  • A Study on the Spatial Characteristics of the Industrial Greenery and Open Space at Factory Sites in Kawasaki Sea-side Industrial Area

抄録

本研究では川崎臨海工業地帯を対象とし、工場緑地の空間分布の分析を通じて緑地の特徴と課題を明らかにすることで、臨海工業地帯における都市再生に向けた緑地計画の指針を得ることを目的とする。研究のプロセスとしては、緑地マップの作成、工場緑地データの作成を行なった後、工場緑地データに基づいて対象地全体の緑地構造における工場緑地の特徴を明らかにし、第1層から第3層のエリア毎に工場および緑地の特徴に関して緑地の質、配置、規模に着目して比較分析を行なった。これらの分析を通じて、臨海工業地帯における緑地整備は、海面埋め立ての時期や時代の要請を反映して、エリア毎に特徴の異なる緑地が整備されてきたことが分かった。その中で、本研究によって特に明らかになった課題は、第2層および第3層に対して第1層における工場緑地の整備が進んでいないことである。第1層は身近な海辺としてのポテンシャルを有するだけでなく、臨海工業地帯の抜本的土地利用改編が進む重要なエリアである。本研究で明らかにした緑地を明確にストックとして認識し、その空間特性に基づいた今後の緑地計画の指針を構築することが重要である。

収録刊行物

  • 都市計画論文集

    都市計画論文集 48 (3), 483-488, 2013

    公益社団法人 日本都市計画学会

参考文献 (2)*注記

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