江戸の名所の成立・成熟過程に関する研究

書誌事項

タイトル別名
  • A Study on the Formation and the Maturity of the Sights in Edo city
  • 江戸の名所の成立・成熟過程に関する研究--名所の魅力要素・空間構成の分析を通じて
  • エド ノ メイショ ノ セイリツ セイジュク カテイ ニ カンスル ケンキュウ メイショ ノ ミリョク ヨウソ クウカン コウセイ ノ ブンセキ オ ツウジテ
  • 名所の魅力要素・空間構成の分析を通じて
  • Through the analysis of the attraction and the spacial composition of the Sights

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抄録

本研究は、江戸期を通じて成熟していった伝統名所および時代を経て新しく登場する新興名所について、両者が有していた魅力要素とその変遷、および魅力要素が落とし込まれている空間の特性、および両者の比較により名所空間の成立を規定している思想の変貌を明らかにするものである。伝統名所が成熟していく過程で多くの名所は魅力要素の多様化を見せているが、その際に中心となる核要素から周辺要素へ、加えて集客が賑わい空間という新たな魅力を成立させ、それがさらなる魅力となっていった。こうした賑わい空間は名所内部へと入り込むベクトルが働いており、名所の微地形や宗教的な仕掛けがそれを区分けする境界として働いていた。一方、新興名所の中には、核となる要素が他の名所の周辺要素として発生したものがあるが、これは伝統名所の内部で起こった成熟の過程が広域的に発生したとも考えられ、全体的には名所空間の発展過程と捉えられる。加えて、伝統名所で成熟の結果備えていった魅力要素を計画的に当初より有する名所もみられ、伝統名所での成熟のノウハウを名所整備の手法として展開するに至ったと言える。

収録刊行物

  • 都市計画論文集

    都市計画論文集 39.3 (0), 115-120, 2004

    公益社団法人 日本都市計画学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (19)*注記

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