電子スピン共鳴法による乳化重合の研究 (1) 電子スピン共鳴法による乳化剤ラジカルの研究

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  • An Electron Spin Resonance Study of Emulsion Polymerization (1) Electron Spin Resonance Studies of Radicals from Emulsifiers
  • Electron Spin Resonance Study of Emulsion Polymerization 1 Electron Spin Resonance Studies of Radicals from Emulsifiers

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抄録

乳化重合における乳化剤の化学的役割を知るために乳化剤ラジカルの生成とその反応性が電子スピン共鳴(ESR)法によって検討された。乳化剤ラジカルの生成反応はレドックス系 TiCl3-H2O2から発生する水酸基ラジカルにより開始され,次の結果が得られた。オキシエチレン基を親水基として持つ乳化剤のESRスペクトルはオキシエチレン基からの水素引抜きで生ずるラジカル-CH2OCHCH2OCH2-によるものと同定され,疎水基の構造が異なっていても全て同じであった。PVAラジカルは2級アルコール炭素,-CH(OH)-,からの水素引抜き,それに続く主鎖切断によって生成する構造,-CH2CH(0H),と同定された。アラビアゴムおよびヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイドからはシグナルが観測されなかった。ビニルモノマーの添加により乳化剤ラジカルの生成は抑制された。ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテルラジカルについて,乳化剤ラジカル同士の停止反応速度定数 k3,および乳化剤ラジカルのVAcへの付加反応(VAcの乳化重合において優れた安定剤として働くことが期待される PVAc-b-polyoxyethylene nonylphenol etherなるブロック共重合体を与える開始反応)速度定数 k3がそれぞれ~106 l/mol・sec および~102 l/mol・sec と算出された。

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