秋田大学付属病院皮膚科におけるCutaneous Malignant Lymphomaの統計的観察

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タイトル別名
  • Statistical analysis of cutaneous malignant lymphoma in the department of dermatology, Akita university hospital.

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説明

1972年1月から1988年5月までの当科で経験したcutaneous malignant lymphoma 22例を臨床的, 組織学的, 免疫組織化学的に検討した。男女比は12:10で, 発症時年令は40から49歳にピークがあつた。病型分類では菌状息肉症8例, セザリー症候群1例, ATLL 4例, B細胞リンパ腫3例, 組織球性リンパ腫2例, および分類不能4例であつた。組織は全例びまん性であり, LSG分類では多形細胞型14例, 大細胞型4例および中細胞型2例で, 本分類適用外の組織球性リンパ腫true histiocytic lymphomaは2例であつた。腫瘍細胞のサブセットは9例がT細胞性, 3例がB細胞性であつた。ATLL以外の例でATLA抗体陽性のものはなかつた。治療は放射線療法, 光線化学療法, 外科療法, 免疫療法および化学療法を単独あるいは組み合わせて施行した。50%生存期間は全体(22例)では69ヵ月であつた。病型別の50%生存期間は菌状息肉腫·セザリー症候群では93ヵ月であるのに対してATLLでは15ヵ月, B細胞性リンパ腫では6ヵ月, その他34ヵ月であり菌状息肉症·セザリー症候群の予後が良好であつた。これは多臓器浸潤が早い時期に起こるか否かが一因と思われ剖検所見もこれを裏付けた。極初期に適切な治療をした3例は再発がなく早期診断·治療の重要性が示された。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 51 (2), 304-309, 1989

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (3)*注記

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