たばこ皮膚炎の2例

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タイトル別名
  • Two Cases of Tobacco Dermatitis

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説明

たばこ皮膚炎の2例を報告した。1例は一次刺激性皮膚炎と考えられ, 他の1例はアレルギー性接触皮膚炎であつた。症例1は50才農婦で葉たばこの芽カギ作業を行つた後, 顔面, 両手背にそう痒のある紅斑および丘疹が出現した。新鮮なたばこの葉によるパッチテストが陽性であつた。症例2は70才農夫で50年来葉たばこの生産に従事しているが, 最近になつてたばこの刈り入れ時期になると露出部に強いそう痒性紅斑をきたすようになつた。皮疹は刈り入れ作業が終了すると軽快, 消失した。葉たばこの新鮮葉および乾燥葉によるパッチテストが陽性で, 乾燥葉の蒸留水およびエーテル抽出液もまた陽性を示し, さらにエーテル抽出液の方がより強い反応を呈し, 反応は1週間持続した。同じ抽出液による対照22名でのパッチテストはすべて陰性であつた。症例2は未加工の葉たばこの葉に対する真のアレルギーが確認されたことで, 非常にまれであると考えた。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 48 (5), 897-901, 1986

    日本皮膚科学会西部支部

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (6)*注記

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