結節性紅斑より明らかになったHelicobacter pylori感染および直腸MALTリンパ腫の1例

  • 山岡 俊文
    長崎大学大学院医歯薬学総合研究科病態解析・制御学講座皮膚病態学分野
  • 芦田 美輪
    長崎大学大学院医歯薬学総合研究科病態解析・制御学講座皮膚病態学分野
  • 清水 和宏
    長崎大学大学院医歯薬学総合研究科病態解析・制御学講座皮膚病態学分野
  • 佐藤 伸一
    長崎大学大学院医歯薬学総合研究科病態解析・制御学講座皮膚病態学分野
  • 陳 俊全
    長崎大学医学部・歯学部附属病院第二内科
  • 大島 孝一
    久留米大学医学部病理学教室

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Helicobacter pylori Infection and Rectal MALT Lymphoma Following Erythema Nodosum
  • 症例 結節性紅斑より明らかになったHelicobacter pylori感染および直腸MALTリンパ腫の1例
  • ショウレイ ケッセツセイ コウハン ヨリ アキラカ ニ ナッタ Helicobacter pylori カンセン オヨビ チョクチョウ MALT リンパシュ ノ 1レイ

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説明

80歳の女性。3ヵ月前から両下肢に浸潤を触れる紅斑が持続した。皮膚生検で結節性紅斑と診断したがピペラシリンナトリウム点滴,ロキソプロフェンナトリウム内服を行ったが軽快しなかった。原因となる疾患の存在を考え全身検索したところ,直腸MALTリンパ腫,Helicobacter pylori(H. pylori)感染が明らかになった。現在までに結節性紅斑と直腸MALT リンパ腫,H. pylori感染との関連は報告されていない。直腸MALTリンパ腫に確立された治療法はないが,H. pylori除菌により縮小することが知られている。今回H. pylori除菌により直腸MALTリンパ腫が縮小し,両下肢の結節性紅斑の再燃が抑制された。自験例では結節性紅斑の原因として,直腸MALTリンパ腫,H. pylori感染のいずれが深く関与しているかは不明であるものの,難治性結節性紅斑に対して内臓悪性腫瘍の検索は必須であり,またH. pylori感染の有無の検索も重要であると考えられた。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 69 (2), 126-130, 2007

    日本皮膚科学会西部支部

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (19)*注記

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