臀部慢性膿皮症に続発した有棘細胞癌の1例

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タイトル別名
  • A case of squamous cell carcinoma arising from perianal chronic pyoderma

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説明

64歳,男性。20歳代から臀部皮膚より排膿あり,40歳代から紅色腫瘤を自覚していた。初診約1ヵ月前から左臀部腫瘤が急速に増大し近医より紹介された。左臀部に皮下硬結を触れ,色素沈着を伴う小豆大から母指頭大の紅色腫瘤が多発,最も大きな腫瘤は9×7×3cm大であった。生検で臀部慢性膿皮症に生じた有棘細胞癌(以下,SCC)と診断した。画像診断で肛門括約筋および大殿筋への浸潤が疑われ,左鼠径および左外腸骨リンパ節の腫大を認めた。左鼠径リンパ節生検にて転移を確認した。患者が人工肛門造設術を拒否したこと,臀部慢性膿皮症に生じたSCCは予後不良であることを考慮し,肛門を温存した術式を選択した。術後に化学放射線療法施行,X線で総線量60Gy照射,CDDP 70mg/m2および5-FU700mg/m2を投与した。術後1年10ヵ月目に左外腸骨リンパ節転移を生じ,化学放射線療法追加し経過観察中である。臀部慢性膿皮症は早期切除し,予後不良であるSCCへの進展を防ぐべきである。

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参考文献 (3)*注記

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