アフリカマイマイの背脳体の微細構造

  • 武田 直邦
    東邦大学理学部生物学教室:(現)コスモ総合研究所研究開発センターバイオテクノロジー研究所
  • 大竹 伸一
    日本大学医学部生物学教室

書誌事項

タイトル別名
  • Fine Structure of the Dorsal Bodies of the Giant African Snail, Achatina fulica
  • アフリカマイマイの背脳体の微細構造〔英文〕
  • アフリカマイマイ ノ ハイ ノウ タイ ノ ビサイ コウゾウ エイブン

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説明

背脳体は, 有肺類に見られる内分泌器官である。背脳体におけるホルモン分泌と脳による制御の様相を組織学的に明らかにすべく, アフリカマイマイAchatina fulicaを用いてその微細構造を調べた。背脳体は生殖腺の発達と密接に関係し, 生殖期に著しく活性化するのが認められた。すなわち, 背脳体細胞自身が大きくなり, 細胞質にはリボゾームやグリコーゲン粒子が増え, ライソゾームの塊り, 粗面小胞体, クリスタの発達したミトコンドリア, ゴルジ装置及びその産生した分泌顆粒, 油滴などが見られた。また, 部分的に発達した滑面小胞体や, 粗面小胞体に包まれた形の小型の油滴なども観察された。一方, 生殖期における間脳部の神経分泌細胞では, 楕円形の顆粒を産生する細胞は不活性であったが, 球状の分泌顆粒を産生する細胞では活発な顆粒産生が認められ, 背脳体におけるホルモン分泌を刺激することが示唆された。これらの結果を, 他種のものと比較して論じた。

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