アルデヒドとトリプトファン残基の選択的反応を利用するタンパク質の着色法

  • 浦川 稔寛
    福岡県工業技術センター化学繊維研究所 九州工業大学工学部物質工学科
  • 堂ノ脇 靖已
    福岡県工業技術センター化学繊維研究所
  • 吉永 耕二
    九州工業大学工学部物質工学科

書誌事項

タイトル別名
  • Coloration of Protein Based on the Selective Reaction of Tryptophan Residues and Aldehydes
  • アルデヒド ト トリプトファン ザンキ ノ センタクテキ ハンノウ オ リヨウスル タンパクシツ ノ チャクショクホウ

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抄録

タンパク質に含まれるトリプトファン残基とアルデヒドの選択的発色反応によるタンパク質の着色について調べた.トリプトファン残基を有するリゾチームは,アルデヒドとの発色反応によって発色団基を形成し,色素を用いることなく着色することができた.その色彩はアルデヒドの構造により変化した.リゾチームとアルデヒドの反応による着色物をポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)法により分析したところ,染色操作をすることなく16 kDaから80 kDa付近に複数のバンドを確認した.飛行時間型質量分析法による分析から,リゾチームの着色物を示す分子イオンピークと,その分子量のほぼ倍数を示す複数の分子イオンピークを確認した.したがって,発色反応は数量体の重合物を与える反応であることが分かった.また,ウエスタンブロッティングの手法によりメンブラン上へ転写したところ,染色操作をすることなく着色物の転写を確認した.<br>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 56 (7), 567-572, 2007

    公益社団法人 日本分析化学会

参考文献 (21)*注記

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