腫瘍組織集積性金属ポルフィリンを用いた肺癌に対する新しい診断,治療法の開発(シンポジウムII 臨床応用を目指した基礎的研究)

書誌事項

タイトル別名
  • New diagnosis and treatment of lung cancer with tumor localizing Metalloporphyrins

説明

我々は1978年以来,血色素,葉緑素由来の腫瘍組織集積性誘導体500種を合成,基礎的検討を行ってきた.この研究の成果を肺癌の診断,治療に応用すべく,金属ポルフィリンをもとにした各種誘導体を開発,下記の如くの結果を得た.(1)^<111>In-, ^<99m>Tc-ATN-10は^<67>Ga citrateよりも鮮明な腫瘍画像を示し,炎症部位への集積も少ない事が判明した.(2)Ga金属ポルフィリンであるATX-70はパルスYAGレーザー(λ=1063nm)にも励起され,旧来の光化学治療よりもより深部まで癌組織を破壊出来る事が明らかとなった.(3)腫瘍指向性制癌制C12-Mn-Aspはゴールデンハムスター移植腺癌に対して静注後24時間で癌組織に選択的な出血壊死を生じさせた.以上の事実は肺癌に対する診断,治療上の新しいアプローチが可能な事を示している.

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