長鎖アルキルジイン酸マンガン塩LB膜の重合特性

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  • Polymerization Properties and Morphology in LB Films of a Long Chain Diynoic Acid as the Manganese Salt
  • チョウサ アルキルジインサン マンガンエン LB マク ノ ジュウゴウ トクセ

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抄録

長鎖アルキルジイン酸,10,12-ペンタコサジィン酸がMn2+イオンを含む水相上で安定な単分子膜を形成するとともに,Langmuir-Blodgett法を用いて,その累積膜を作成できることを見いだした。このMn塩累積膜の重合特性および構造を同様の手法により作成したCd塩累積膜と比較した。いずれの塩め累積膜も紫外光照射により固相重合を開始し,最初に青色ポリマー,のちに相転移を起こして赤色ポリマーを与えた。Mn塩累積膜の重合速度ならびに青色ポリマーから赤色ポリマーへの転移速度は,Cd塩累積膜に比較して見かけ上約4倍の加速が見られたほか,最終的に得られた赤色ポリマーの吸光度もMn塩累積膜の方が2倍程度増大した。また,X線回折から求めた重合前後の膜面間隔の変化は,Cd塩累積膜が8%の増大を示したのに対して,Mn塩累積膜ではわずかに-0.6%の減少を示したにすぎなかった。一方,偏光顕微鏡を用いた観察から,Mn塩累積膜におけるdomaihの大きさは,Cd塩累積膜に比較すると総じて大きく,最大3×1mmにも達することがわかった。以上から,Mn塩累積膜はCd塩累積膜に比較して,より重合に好ましい分子配向状態をとることが示唆された。

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