東京都周辺域における都市環境が降水に及ぼす影響

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タイトル別名
  • The effect of an urban environment on the precipitation in areas around Tokyo
  • トウキョウト シュウヘンイキ ニ オケル トシ カンキョウ ガ コウスイ ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

人間社会の活動に特化した空間として発展した都市は無秩序な拡大をしてきたために様々な問題を生み出しており,その問題の一つとして都市部ではヒートアイランド現象(Urban Heat Island Phenomenon)が深刻化している。このヒートアイランド現象は真夏日・熱帯夜の日数を増加させるだけではなく,集中豪雨の日数増加に間接的な影響を与えることも示唆されている。<BR>そこで,本研究では東京都および埼玉県南部の計51市区町村を研究対象地域とし,レーダー・アメダス解析雨量を用いることにより都市の熱環境と都市構造が近年増加傾向にある都市の対流性降雨に与える影響の評価を行った。ここで,使用した都市構造パラメータは熱的特性値,人工排熱,緑被率,海からの平均距離,平均標高,建物構造パラメータ,水域面積の割合である。<BR>結果,昼間において30mm/h以上の降雨回数と各都市構造パラメータとの間には熱的特性値,建物高度,粗度,人工排熱,緑被率,海からの平均距離において相関関係が見られた。また,夜間においては降雨回数と各都市構造パラメータの明確な関係を確認することは出来なかったが,レーダー・アメダス(30mm/h以上の降雨回数)の空間分布により,西方の降雨回数が東に移動し研究対象地域に降雨をもたらしている様子が見て取れた。

収録刊行物

  • 環境科学会誌

    環境科学会誌 22 (3), 187-195, 2009

    社団法人 環境科学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (28)*注記

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