書誌事項

タイトル別名
  • Classification and Examination of Fungi
  • シンキン ノ ブンルイ ト ケンサ

この論文をさがす

抄録

真菌は,形態的には有性器官の形質で分類されている.そのため,有性器官の不明な菌群を分類学上,不完全なものと位置づけ,不完全菌類としている.現在では,分子系統を勘案して真菌は六つの門,ツボカビ門,接合菌門,子嚢菌門,担子菌門,グロムス菌門,微胞子虫門に分類されている.不完全菌類は,系統的に門を形成するものとは認められていない.ここでは,われわれが通常取扱う接合菌門,子嚢菌門,担子菌門に属する真菌を中心に述べる.真菌,特に糸状菌の同定は形態的観察に基づいている.形態の中でも有性胞子,無性胞子における形成様式,形態が分類・同定の決め手となることが多い.一方,酵母においては,形態的には判別が不明瞭なため,さまざまな生理生化学的な性状によって同定される.また,生活環に有性型と無性型をもつ真菌の場合,有性型の学名を優先することが定められている.近年の分子生物学的な手法の発展により,真菌の分類・同定においてもさまざまな手法が用いられるようになってきた.しかし,従来の形態学的な知見は,分子生物学的な手法においても必要とされる.現状では,形態学的な知見をベースとして,分子生物学的な知見を取り入れ,より正確な真菌の分類・同定を目指すのが理想と考える.

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (13)*注記

もっと見る

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ