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- 矢口 貴志
- 千葉大学真菌医学研究センター
書誌事項
- タイトル別名
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- Classification and Examination of Fungi
- シンキン ノ ブンルイ ト ケンサ
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説明
真菌は,形態的には有性器官の形質で分類されている.そのため,有性器官の不明な菌群を分類学上,不完全なものと位置づけ,不完全菌類としている.現在では,分子系統を勘案して真菌は六つの門,ツボカビ門,接合菌門,子嚢菌門,担子菌門,グロムス菌門,微胞子虫門に分類されている.不完全菌類は,系統的に門を形成するものとは認められていない.ここでは,われわれが通常取扱う接合菌門,子嚢菌門,担子菌門に属する真菌を中心に述べる.真菌,特に糸状菌の同定は形態的観察に基づいている.形態の中でも有性胞子,無性胞子における形成様式,形態が分類・同定の決め手となることが多い.一方,酵母においては,形態的には判別が不明瞭なため,さまざまな生理生化学的な性状によって同定される.また,生活環に有性型と無性型をもつ真菌の場合,有性型の学名を優先することが定められている.近年の分子生物学的な手法の発展により,真菌の分類・同定においてもさまざまな手法が用いられるようになってきた.しかし,従来の形態学的な知見は,分子生物学的な手法においても必要とされる.現状では,形態学的な知見をベースとして,分子生物学的な知見を取り入れ,より正確な真菌の分類・同定を目指すのが理想と考える.
収録刊行物
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- 日本食品微生物学会雑誌
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日本食品微生物学会雑誌 27 (2), 47-55, 2010
日本食品微生物学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204426770560
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- NII論文ID
- 10026525841
- 130004518938
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- NII書誌ID
- AN10552871
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- ISSN
- 18825982
- 13408267
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- NDL書誌ID
- 10777285
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
- Crossref
- CiNii Articles
- KAKEN
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可