Fanconi 貧血患者に生じた進行歯肉癌例

DOI
  • 片岡 通子
    独立行政法人国立病院機構京都医療センター耳鼻咽喉科
  • 本多 啓吾
    独立行政法人国立病院機構京都医療センター頭頸部外科
  • 安里 亮
    独立行政法人国立病院機構京都医療センター頭頸部外科

書誌事項

タイトル別名
  • A case of advanced carcinoma of the gingiva in a patient with Fanconi anemia

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抄録

Fanconi 貧血患者にみられた進行歯肉癌の1例を経験したので報告する. 症例は31歳, 女性. 13歳時に Fanconi 貧血の診断を受けた. 31歳時に上歯肉癌 T4aN1M0 に対し, 当科で局所拡大切除および遊離皮弁再建術を行った. 術後早期に緑膿菌による創部感染, 両側膿胸, 敗血症性ショックに至った. 長期間の集中治療管理を要したが, 全身状態は改善した. 術後6ヵ月の段階で再発を認めていない. 本症例では, 治療後再発が多いこと, 放射線治療・化学療法が困難であることから, 再建を伴う局所拡大切除を行い, 寛解に至った. しかし, 術後合併症は通常と比べ重篤であり, 周術期のより慎重な管理を要すると考えられた.

収録刊行物

  • 口腔・咽頭科

    口腔・咽頭科 27 (2), 173-177, 2014

    日本口腔・咽頭科学会

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