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- Universidade Catolica de Pernambuco
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書誌事項
- タイトル別名
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- Occurrence of ochratoxigenic fungi and ochratoxin A in coffee cherries on coffee tree
- コーヒーノキ ジュ ジョウ ニ オケル カジツ ニ ミラレタ ochratoxin セイサンキン ト ochratoxin A ノ シゼン オセン
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抄録
<p> 2002年11月ブラジル,パラ州,サンターレン市郊外の熱帯雨林中のコーヒー農園を調査し,コーヒーノキ樹上に黄色糸状菌の発生したコーヒー果実を多数発見した.これらの果実および成熟して黒色になった過熟果実には甲虫の食害による小孔が認められ,また果実中から Anthribidae 科(和名ヒゲナガゾウムシ科)と Ciidae 科(和名ツツキノコムシ科)に属する 2 種類の甲虫が多数出現した.果実上に発生した黄色糸状菌は直接分離培養により Aspergillus westerdijkiae と同定された.黄色糸状菌が発生した果実と同時に過熟果実を摘果して CzA 培地を用いて分離培養に供試したところ,A. westerdijkiae とともに A. carbonarius も分離された.<br/> コーヒー果実のOTA汚染と分離菌の MYA 培養によるOTA生産性をELISA法で分析した.コーヒー果実では供試した20試料の全てから,0.5−659.6 µg/gの範囲でOTAが検出された.分離菌のOTA生産性の検索では,供試した A. westerdijkiae 13株の全てにOTA生産が認められた,生産量は 9.4−121.3 µg/ mlの範囲であった.また,供試した A. carbonarius 1株のOTA生産量は 27.3 µg/ mlであった.<br/> Ciidae科の甲虫を果実の場合と同様の CzA 培地を用いて分離培養に供試したところ,コーヒー果実にみられた A. westerdijkiae と black aspergilli (Nigri 節)が体表から検出された.<br/> 今回得られた結果から,コーヒー果実が樹上で成熟するときに A. carbonarius, A. westerdijkiae などが感染し,菌の増殖とともにOTAの蓄積が始まることが認められ,収穫前のコーヒー果実のOTA汚染が生コーヒー豆のOTA自然汚染の一原因として想定された.また,感染後のOTA生産菌の伝搬にはコーヒーノキ生態系における食害甲虫の役割が示唆された.一方,農園土壌の糸状菌相には A. awamori, A. foetidus, A. niger, A. tubingensis などの菌種からなる black aspergilli が土壌試料の63%に見られたが,OTA生産の主要種である A. westerdijkiae, A. carbonarius の土壌における存在が認められず,土壌を介してのOTA生産菌の感染は立証できなかった.</p>
収録刊行物
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- 日本菌学会会報
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日本菌学会会報 51 (1), n/a-, 2010
日本菌学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204432891136
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- NII論文ID
- 10026403162
- 130006588715
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- NII書誌ID
- AN00187816
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- ISSN
- 24241296
- 00290289
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- NDL書誌ID
- 10721614
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- CiNii Articles
- KAKEN
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可