有害性及び環境汚染性陰イオンを高速で選択的に吸着する有機系吸着剤の探索と開発

  • 城 昭典
    熊本大学名誉教授(大学院自然科学研究科工学系)

書誌事項

タイトル別名
  • Search for and Development of Kinetically Excellent Organic Adsorbents Selective to Hazardous and Non-environment-friendly Anions

抄録

地下水のヒ素と硝酸イオンによる汚染が健康上の問題となっているほか,リン酸イオンと硝酸イオンによる湖沼河川の汚染は富栄養化による環境問題を起こしている。このような有害性及び環境汚染性の陰イオンを高速で選択的に捕集可能な有機系吸着剤の探索と開発を行った。先ず橋かけポリアリルアミン球状樹脂がリン酸イオンとヒ酸イオンを迅速かつ選択的に吸着できることを見出した。次にこの成果を参考に,電子線前照射グラフト重合法によりポリオレフィン繊維にビニルホルムアミドをグラフト重合した後グラフトされたポリビニルホルムアミド鎖のホルムアミド部位をアルカリ加水分解してポリビニルアミンを官能基とする弱塩基性陰イオン交換繊維を合成した。この繊維もヒ酸イオンを高速度で選択的に吸着した。さらに,電子線前照射グラフト重合法によりクロロメチルスチレンをグラフト重合したポリオレフィン繊維をトリアミルアミン,トリへキシルアミンで四級化して合成した強塩基性陰イオン交換繊維は,塩化物イオンや硫酸イオンの共存下でも硝酸イオンを高速で選択的に吸着した。以上の陰イオン交換体はいずれも吸着・溶離・再生の反復が可能であった。<br>

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001204434219904
  • NII論文ID
    130003375925
  • DOI
    10.5182/jaie.24.29
  • ISSN
    18843360
    0915860X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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