オキサリプラチンによる末梢神経障害をもつ進行再発大腸がん患者の体験

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タイトル別名
  • Experiences of Advanced and Recurrent Colorectal Cancer Patients with Oxaliplatin−induced Peripheral Neuropathy
  • オキサリプラチン ニ ヨル マッショウ シンケイ ショウガイ オ モツ シンコウ サイハツ ダイチョウ ガン カンジャ ノ タイケン

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抄録

<p>要 旨</p><p>本研究の目的は,オキサリプラチンによる末梢神経障害をもつ進行再発大腸がん患者の体験を明らかにすることである.対象者は進行再発大腸がんでオキサリプラチンによる外来化学療法を受け,末梢神経障害が出現している患者8名であり,インタビューガイドを用いた半構成的面接法を行った.データを逐語録にし,対象者の末梢神経障害の体験に関する部分を最小単位に抽出してコード化し,意味内容の類似性と差異に着目して分類しカテゴリー化した.その結果,治療前には想像できないオキサリプラチン特有の過剰な知覚の具体的症状が明らかになり,また,【自ら体験して初めてわかったしびれの感覚】【しびれを我慢してでも生きたい】【当たり前だった自分の生活ができなくなる脅威】【ぎりぎりまで「自分で自分のことができること」を死守】【しびれを抱えつつ安全な生活を確保するための努力】の5つのカテゴリーが抽出された.</p><p>末梢神経障害を通常の生活ができなくなる新たな脅威として認識しながらも,「生きたい」という強い意志を持ち,自ら安全性や自律性の確保を末梢神経障害の許容の限界と決め,懸命に治療を継続している患者の体験が明らかとなった.また,これらの体験は,進行再発大腸がんでも延命が期待できる一次治療段階にいる患者の特徴として捉えることができ,患者が主体的に生活の中で末梢神経障害を調整できるよう援助することの重要性が示唆された.</p>

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