ヒトと動物のキメラを作成する研究はどこまで認められるか? : 再議論に向けた検討課題の提示
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- 神里 彩子
- 東京大学医科学研究所
書誌事項
- タイトル別名
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- How much longer can we create human and animal chimera for scientific research? : The agendas for discussion
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説明
平成22年7月、ヒトiPS細胞を動物の胚盤胞に注入して動物性集合胚を作成する研究に関する届出が文部科学大臣になされた。これを契機に現行の「ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律」および「特定胚の取扱いに関する指針」に基づく動物性集合胚研究の規制について見直しの必要性が認識され始めている。そこで、本稿では、複雑化しているヒトと動物のキメラに関する概念整理からはじめ、日本における現在の規制とその問題点、および、ヒトと動物のキメラ胚研究の規制のあり方について再議論を行う上での検討課題を考察した。その結果、現在の規制には、キメラ胚の取扱い期間など四つの問題点があることを明らかにした。また、今後の議論はヒトと動物のキメラ胚・キメラ個体の作成について科学的・倫理的・法的・社会的観点から広く検討するべきであること、そして、その検討課題として、ヒトのどのような特性をもつヒトと動物のキメラ胚を作成してよいかなど3点を提示した。
収録刊行物
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- 生命倫理
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生命倫理 21 (1), 22-32, 2011
日本生命倫理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204484461568
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- NII論文ID
- 110009827898
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- ISSN
- 2189695X
- 13434063
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
- KAKEN
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可