フーリエ級数の理解を深める共振実験

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タイトル別名
  • Experiment on Coupled Oscillation to Promote Understanding of Fourier Series

抄録

交流矩形波的に変動する駆動力で振り子を共振させた.駆動力の振動数がvのとき,振り子の角度変位θ^^・は,θ^^・=θ^^・(t,v)で表わせる.その時間微分θ^^・を角速度とすると,θ^^・=θ^^・(t,v)と表わせる.ある振動数vに対して,θ^^・が最大になるような時刻tをl_mとする.θ^^・(t_m,v)をvに対する角速度振幅と呼び,簡単のためθ^^・_m(v)で表わす.共振の様子を調べるため,vを変えてθ^^・_mを測定し,結果をθ^^・_m-v曲線で表わした.θ^^・_mの最大値は駆動振動数vの値が振り子の固有振動数v_0に等しくなるとき観測された.特に注目に値することは,vの値がv_0/3, v_0/5,・・・・になるときθ^^・_mの極大値が観測されたことである.共振状態が極大になるvの値から,矩形波的に変動する駆動力をフーリエ級数に展開したときの高次項の振動数を求めることができた.また,そのときのθ^^・_mの測定値から求めた高次項の係数比が理論値と一致することを確めることができた.三角波的に変動する駆動力を用いたときにも,同様の結果が得られた.現象をもとにしてフーリエ級数の理解を深めさせ,興味を惹き起こさせる試みは,ほとんど行なわれていない.本実験は,その意味で意義があると思われる.

収録刊行物

  • 物理教育

    物理教育 32 (2), 49-53, 1984

    日本物理教育学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001204513790720
  • NII論文ID
    110007489317
  • DOI
    10.20653/pesj.32.2_49
  • ISSN
    24321028
    03856992
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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