狭い支持基底面におけるバランス制御の定量的解析~基底面から重心投影点が飛び出してもバランスが保持できる制御~

  • 斎藤 寛樹
    医療法人社団紺整会船橋整形外科病院スポーツ医学センター理学診療部
  • 江原 義弘
    新潟医療福祉大学医療技術学部義肢装具自立支援学科
  • 岩谷 友倫
    社会医療法人財団慈泉会相澤病院リハビリテーションセンター整形外科部門
  • 大崎 諒
    学校法人埼玉医科大学病院リハビリテーション科

書誌事項

タイトル別名
  • Quantitative Analysis of Balance Control on Narrow Base of Support-Balance can be Maintained even when Center of Mass Drifts Outside the Base of Support-
  • セマイ シジ キテイメン ニ オケル バランス セイギョ ノ テイリョウテキ カイセキ キテイメン カラ ジュウシン トウエイテン ガ トビダシテモ バランス ガ ホジ デキル セイギョ
  • ∼Balance can be Maintained even when Center of Mass Drifts Outside the Base of Support∼
  • ~基底面から重心投影点が飛び出してもバランスが保持できる制御~

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抄録

一般的なバランス制御の身体運動は倒立振り子モデルに当てはめられ解析されることが多い.このモデルでは関節モーメントを変化させ床反力作用点の動く範囲の上に重心を留めることでバランスを保持している.つまり支持基底面内に重心投影点をとどめている制御である.しかしこの制御方式はヒトのバランス制御を完全には網羅しているとはいえない.今回の研究では支持基底面外に重心投影点が飛び出してもバランスが保持される制御方式を実験的に証明するために,身体を足部と上部身体に分け,矢状面の二次元においてつま先立ち動作を解析した.この制御では床反力作用点を動かさずに,全身の角運動量の変化を大きくし,床反力による重心回りのモーメントを生じさせていた.それによって床反力が重心よりも大きく逸れ,身体が倒れていく方向とは逆方向に力を作用させることでバランスを保つことができた.

収録刊行物

  • 人間工学

    人間工学 46 (6), 355-361, 2010

    一般社団法人 日本人間工学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (19)*注記

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