重度歯周病患者における歯周病原性細菌に対する血清IgG抗体価の変化:症例報告

  • 成石 浩司
    岩手医科大学歯学部口腔機能保存学講座歯内療法学分野
  • 國松 和司
    岩手医科大学歯学部口腔機能保存学講座歯周病学分野

書誌事項

タイトル別名
  • A Case Report of Severe Chronic Periodontitis Evaluated by Serum IgG Antibody Titer Test against Periodontal Pathogens

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抄録

慢性辺縁性歯周炎は複数種の口腔細菌の感染によって発症し, 炎症性骨吸収によって結果的に歯を喪失する感染症である. 口腔内には500種類以上の細菌種が存在すると言われ, 1980年代以降,多くの歯科医師によって歯周病の細菌学的な検討が行われてきた. とくに歯周病原性細菌の感染によって, その歯周病原細菌に対する血清中のIgG抗体価の上昇をきたすことが知られている. 血清IgG抗体価のレベルは歯周病原細菌の量と比例するので, 歯周病治療によって細菌量が減少すると, 次第にIgG抗体価のレベルも減少すると考えられている.<br> 我々は重度歯周病患者の治療に相応して, 複数種の歯周病原性細菌に対する血清IgG抗体価が減少した事例を経験したので, 本症例報告において, 血清IgG抗体価検査が歯周病治療の有効なマーカーになり得ることを提唱する.

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