下水中の抗インフルエンザ薬成分を用いた疫学調査手法の検討

  • 東 剛志
    京都大学大学院工学研究科附属流域圏総合環境質研究センター
  • 菅原 民枝
    国立感染症研究所感染症疫学センター厚生労働省戸山研究庁舎
  • 中田 典秀
    京都大学大学院工学研究科附属流域圏総合環境質研究センター
  • 山下 尚之
    京都大学大学院工学研究科附属流域圏総合環境質研究センター
  • 三野 芳紀
    大阪薬科大学大学院薬学研究科
  • 田中 宏明
    京都大学大学院工学研究科附属流域圏総合環境質研究センター
  • 大日 康史
    国立感染症研究所感染症疫学センター厚生労働省戸山研究庁舎

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluation of the Effectiveness of Epidemiological Surveillance using Anti-influenza Drugs Detected in Sewage Influent
  • カスイチュウ ノ コウインフルエンザヤク セイブン オ モチイタ エキガク チョウサ シュホウ ノ ケントウ

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説明

本研究は,下水処理場に流入する流入下水中のインフルエンザ治療薬のタミフル及びリレンザの濃度をモニタリングすることにより,ある地域におけるインフルエンザ患者数を把握することが可能であることを示した最初の報告である.まず,2010-2011年及び2011-2012年におけるインフルエンザの流行シーズンに,京都市において流入下水中のタミフル及びリレンザの濃度を継続モニタリングした結果に基づいて,同市におけるインフルエンザ患者発生数を推計した.次に,処方せんに記載された医薬品情報の集計を元に疾病の流行を把握する,薬局サーベイランスによるインフルエンザ患者数との対応性について比較検討した.その結果,両者の相関関係が高く増減推移や患者数に良い一致をみた.これらの結果は,下水処理場に流入する薬剤を基に特定疾患の患者数の推定を行う手法が,新しい疫学調査法として有効であることを示唆している.

収録刊行物

  • 環境技術

    環境技術 43 (4), 226-232, 2014

    環境技術学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (11)*注記

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