スタンフォードB 型大動脈解離慢性期に左椎骨動脈領域に脳梗塞を繰り返した1 例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of recurrent stroke associated with chronic Stanford type B aortic dissection

この論文をさがす

説明

スタンフォードB 型大動脈解離慢性期に左椎骨動脈領域に脳梗塞を繰り返した1 例を報告する.67 歳男性,60 歳でB 型大動脈解離を発症し保存的加療中,66 歳時に左後下小脳動脈領域の脳梗塞の既往あり.突然の右上下肢麻痺を主訴に受診,神経学的に左方視時の注視方向性眼振,右顔面麻痺,構音障害,舌左偏倚,右優位の四肢麻痺,右半身の温痛覚,振動覚,位置覚の低下を認めた.頭部MRI で左小脳後下小脳動脈領域,頸髄MRI で前脊髄動脈領域の延髄左内側・上位頸髄左側に梗塞を認め,MRA で左後下小脳動脈閉塞を認めた.胸部造影CT では,左椎骨動脈は左鎖骨下動脈近位より分岐し,経食道心エコーで下行大動脈の解離腔内に高度のもやもやエコー,左鎖骨下動脈直下の解離腔入口部から左椎骨動脈方向へ流入する血流を認めた.左椎骨動脈領域のみに脳梗塞を繰り返すことから解離腔内で形成された血栓が左椎骨動脈に流入し塞栓症を起こす機序と考えた.

収録刊行物

  • 脳卒中

    脳卒中 38 (4), 245-250, 2016

    一般社団法人 日本脳卒中学会

参考文献 (12)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ