マッサージチェア開発における価値形成プロセス

  • 氏田 壮一郎
    関西学院大学大学院経営戦略研究科先端マネジメント専攻博士後期課程
  • 玉田 俊平太
    関西学院大学大学院経営戦略研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Value Creation Processes in the Massage-chair Development
  • マッサージチェア カイハツ ニ オケル カチ ケイセイ プロセス

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説明

製品開発において価値形成は,重要な経営課題である。価値形成には,顧客ニーズに合致した便益を製品の中に同化するプロセスが必要であり,市場の顧客ニーズを認識する過程が重要となる。本研究では,価値形成を実現する手法を探るため,「もみ味」という感覚的で曖昧な便益を実現するマッサージチェアの開発プロセスを分析した。事例分析の結果,「共創同期プロセス」と「仮想顧客同期プロセス」の二つの開発モデルに分類することができた。前者は,試用者などの共創相手とともに開発を行うことで正確な顧客ニーズの把握を目指すプロセスである。後者は市場に精通したマネージャーが仮想顧客となり,そのイメージに基づき価値形成を実施するプロセスである。この両プロセスの違いは顧客ニーズを収集する対象にあり,共創同期プロセスは共創相手に仮想顧客同期プロセスはマネージャーにその収集対象を設定している点である。市場における顧客ニーズとの乖離のリスクを回避する場合は共創同期プロセスが有利であり,革新的な製品開発や短期間に低コストで開発したい場合,仮想顧客同期プロセスが効率的である。

収録刊行物

  • 研究 技術 計画

    研究 技術 計画 28 (3_4), 292-302, 2014

    研究・イノベーション学会

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