P1-039  セルトリズマブペゴルの従来型TNF阻害薬と異なるプロファイルDifferent Profiles of Certolizumab Pegol from other TNF inhibitors

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新規TNF阻害薬Certolizumab Pegol(CZP)の3つの構造的特徴(Polyethylene glycol: PEG)化,Fc-free,一価)に基づく生物学的機能について検討した.<br> 【PEG化】<br/> ・PEGの炎症組織への集積性に及ぼす影響:Adalimumab(ADA), infliximab(IFX)と比べ,CZPはコラーゲン関節炎モデルの炎症部位へ,速やかに,有意に高く,持続的に集積した.このCZPの集積性の高さは,関節炎の重症度と相関した.<br> ・PEGの肥満細胞からの脱顆粒に及ぼす影響:Compound 48/80刺激による肥満細胞からの脱顆粒に対し,投与部位での想定濃度で,PEG及びCZPは有意に強い抑制効果を示した.<br> 【Fc-free】<br/> Fc-freeの胎盤通過に及ぼす影響:妊娠ラットに完全型抗体とPEG化Fab‘を投与した.胎児への移行性は,完全型抗体(15.2%)に比べ,PEG化Fab‘(0.12%)で非常に低かった.<br> 【一価】<br/> 一価の免疫複合体形成に及ぼす影響:二価のIFXとADAは,TNF-αと大きい複合体を形成した.この大きい複合体は好中球の脱顆粒やO2産生を引き起こした.一方,一価のCZPはTNF-αと小さい複合体を形成したが,これは好中球の脱顆粒やO2産生を殆ど起こさなかった.<br> 以上より,CZPの3つの構造的特徴は,従来型TNF阻害薬とは異なる生物学的特長を賦与している可能性が示された.<br>

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