聴覚障害児の読みの過程におけるメタ認知に関する研究動向

  • 長南 浩人
    筑波技術大学障害者高等教育研究支援センター
  • 澤 隆史
    東京学芸大学総合教育科学系特別支援科学講座

書誌事項

タイトル別名
  • A Perspective on the Role of Metacognition in Reading by Students With Hearing Impairments: A Review
  • チョウカク ショウガイジ ノ ヨミ ノ カテイ ニ オケル メタ ニンチ ニ カンスル ケンキュウ ドウコウ

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抄録

本研究は、聴覚障害児の読みにおけるメタ認知能力について、メタ認知的知識とメタ認知的活動に関する研究、指導研究の面からこれまでの研究を概観し、わが国において今後、聴覚障害児のメタ認知能力を検討する際の課題について論考することを目的とした。メタ認知に関する研究は、読みに熟達した聴覚障害児は、健聴児同様に読みに関するメタ認知的知識を有し、メタ認知的活動を行っていること、そのような聴覚障害児は、健聴児と比較した場合、少ないこと、メタ認知に関する指導を行うとそれを獲得し、読みの成績が向上することが報告されている。しかし、メタ認知的知識やメタ認知的活動の実態に関する研究には、方法論上、被験者の数やデータの収集方法に課題が残ること、また指導法に関する研究についてもプログラムの内容や指導効果の検証の方法にも検討の余地がうかがわれたことから、これらの点を今後の課題としてあげた。

収録刊行物

  • 特殊教育学研究

    特殊教育学研究 47 (3), 163-171, 2009

    一般社団法人 日本特殊教育学会

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