健常幼児及び知的障害児における言語の行動調整機能

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タイトル別名
  • Verbal Regulation Function of Behavior in Children with and without Developmental Disabilities
  • ケンジョウ ヨウジ オヨビ チテキ ショウガイジ ニ オケル ゲンゴ ノ コウ

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抄録

言語指示の効果を評価し、その障害特性に応じた効果的指示の在り方への手がかりを得ることを目的として健常幼児及び3群の知的障害児を対象にルリヤのバルブ押し実験により、言語の行動調整機能の発達的特徴とその障害を検討した。その結果、以下の点が明らかとなった。(1)言語の行動調整機能の発達はプランニングと運動の巧緻性の両面の発達に基づいて、コントロールシステムに言語系が優越的に関与し得るようになる経過と考えられる。その発達的変化は4歳後半から5歳にかけて顕著に進む。(2)行動調整の発達過程では必ずしも外言によるコントロール段階を経過するとは限らない。(3)ダウン症児及び精神遅滞児(原因不明群)は精神年齢に応じて言語の行動調整機能の発達を示す。(4)自閉症児はその精神発達水準のいかんを問わず、自己の言語が行動調整に関与する割合は低く、したがって個別的指示の必要性が高い。

収録刊行物

  • 特殊教育学研究

    特殊教育学研究 36 (3), 11-21, 1998

    一般社団法人 日本特殊教育学会

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