エリスロポエチン不応性貧血にダルベポエチンが奏効した赤芽球癆,副腎機能不全合併の長期透析患者の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case report: The effect of Darubepoietin in a 64-year-old man on hemodialysis with pure red cell aplasia and adrenal dysfunction
  • 症例報告 エリスロポエチン不応性貧血にダルベポエチンが奏効した赤芽球癆,副腎機能不全合併の長期透析患者の1例
  • ショウレイ ホウコク エリスロポエチン フオウセイ ヒンケツ ニ ダルベポエチン ガ ソウコウ シタ セキガキュウロウ フクジン キノウ フゼン ガッペイ ノ チョウキ トウセキ カンジャ ノ 1レイ

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抄録

エリスロポエチン不応性貧血にダルベポエチンαが奏効した赤芽球癆,副腎機能不全合併の長期透析患者の1例を経験した.症例はIgA腎症を原疾患とする慢性腎不全のため1988年5月(45歳)より血液透析導入,透析中の64歳男性である.2000年(57歳),2005年(62歳)に腎癌を合併し,両側の腎臓を摘出.以後も外来維持透析されていたが,低血圧および貧血の進行が認められたため,精査加療目的に2007年9月当科入院となった.入院時Hb 5.2g/dL,Ht 15.9%で,貧血の原因については術後の副腎機能不全に加え,骨髄生検の結果,赤芽球系の減少が認められ,赤芽球癆と診断された.入院後,輸血を頻回に行い,エポエチンβ 9,000単位/週からダルベポエチンα 120μg/週投与へ変更したところ,Hb 8.1g/dL,Ht 24.4%まで改善した.本症例は長期透析患者に合併したエリスロポエチン不応性貧血および,両側腎摘出術後の副腎機能不全であり,診断,加療ともに難渋した1例であった.エリスロポエチン抵抗性貧血におけるダルベポエチンα投与の有効性についても考察する.

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参考文献 (25)*注記

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