肺原発リンパ上皮腫様癌の1例

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タイトル別名
  • A Case of Pulmonary Lymphoepithelioma-like Carcinoma

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説明

背景.肺原発リンパ上皮腫様癌(lymphoepithelioma-like carcinoma: LELC)はWHO分類上,大細胞癌の特殊型に分類される稀な腫瘍である.症例.66歳,男性.検診にて胸部異常陰影を指摘された.胸部CTで右上葉に約40 mm大の腫瘤と気管前リンパ節の腫大を認めた.PET-CTでは腫瘍及び気管前リンパ節で著明にFDGの異常集積を認めた.気管支鏡検査を行い,経気管支肺生検で非小細胞癌と診断した.cN2症例であったが孤発性であったため,初回手術療法を選択した.右上葉切除,ND2aを施行した.術後病理診断はLELCで,病理学的病期は,pT2N2M0 stage IIIAとなった.Epstein-Barrウイルス(EBV)の有無をEBER1のin situ hybridizationにより検索したが,陰性であった.術後補助化学療法として,carboplatin/paclitaxel併用療法を4コース行い,術後1年6ヶ月経過し無再発生存中である.結論.リンパ上皮腫様癌は本邦での報告例は少なく,稀な疾患であると考えられたので,若干の文献的考察を加えて報告した.<br>

収録刊行物

  • 肺癌

    肺癌 49 (1), 30-35, 2009

    特定非営利活動法人 日本肺癌学会

被引用文献 (9)*注記

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参考文献 (19)*注記

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